「内なるファシズムに負けない」は、尊敬する経済学者・金子勝氏による必読の現状分析だ。

2015/06/02

金子勝氏が自身のブログに投稿した「内なるファシズムに負けない」は、今の日本の状況にかんする必読の分析だ。

「内なるファシズムに負けない」は、尊敬する経済学者金子勝氏による必読の現状分析だ。

「私たちも最悪の事態に陥らないために、自分に何ができるか、考え抜かなければならない時が来たようです」の金子氏の言葉は、まさにぼくも、胸に手を当て、受け止めなければならないと思う。

 

 

金子勝氏は慶応義塾大学の経済学者で、ぼくは氏のツイッターアカウントを、原発事故の以前からフォローしていた。


ちょうど自民党から民主党へ政権交代した頃で、金子氏は当時の経済の停滞がどこに原因があり、民主党政権に何ができるのかについて、積極的にツイートされていたと思う。

そのあと原発事故が発生した。それから金子氏は、この原発事故処理問題、原子力・エネルギー問題を中心に、ツイートされるようになる。

 

原発事故が発生した当初は、ぼく自身も時間の限り、一次情報にあたり、専門家の意見もあれこれ見ていた。しかしそのうち、退職金が乏しくなり、仕事のことを真剣に考えなくてはいけなくなってきたので、原発問題からは距離をおき、割く時間を減らさざるをえなくなった。

意見を継続的に見る専門家も徐々に減らし、最終的には金子勝氏一人となった。

金子勝氏がツイッターで、かなり詳しい情報を随時公開してくれたので、「それで十分」と思えたのと、この問題について、「金子氏は本当に信頼できる」と思えたからだ。

 

何より金子氏は、「私心がない」と、ぼくには思える。

専門家、あるいは学者にとって、一番大事な資質は、「損得に左右されないこと」ではないだろうか。学問のたてまえは、「真実を明らかにすること」で、それが自分の利益や、立場などによってねじ曲げられるようでは困る。

 

原発事故のあと、いかに多くの原子力学者が、損得のために真実を隠し、ねじ曲げてきたのかを、ぼくたちは目の当たりにしてきただろう。また原子力学者以外の学者も、学問上の真実より、むしろ政治的な真実を重んじる人も多いと思う。

しかし金子氏は、そのような「エセ学者」からは、最も遠い存在であると、ぼくには思えるのである。

 

情報をリサーチするにもかなりの時間がかかるだろうし、さらには講義やゼミなど大学の仕事もあるだろうに、毎日かなりの数のツイートで、ぼくらに必要なことを教えてくれる。

寝る時間を削っているとも聞くし、「体は大丈夫だろうか」と、少し案じてもいるほどだ。

 

その金子氏が、きのうブログで、「内なるファシズムに負けない」を投稿した。

ぼくはこれを読み、一人でも多くの人に、これを読んでほしいと思った。

 

金子氏は、1986年に朝日新聞に掲載されたという、劇作家・木下順二の文章「小さな兆候こそ」から話をはじめる。

ナチス・ドイツは政権をとったあと、何かを大きく変化させるのではなく、少しずつ、小さな既成事実を積み重ねていったそうだ。人々がそれに異議をとなえず、順応してしまったあげく、7年がたち、アウシュビッツが始まった。

ふり返って考えてみれば、『一つ一つの措置はきわめて小さく、きわめてうまく説明され、“時折遺憾”の意が表明される』のみで、政治の全過程を最初からのみこんでいる人以外には、その“きわめて小さな措置”の意味はわからない。それは『ほんのちょっと』悪くなっただけだ。だから次の機会を待つということになる。そう思う自分に馴れてしまっているうちに、事態は取り返しがつかなくなってしまった。

のだそうだ。

 

金子氏が言わんとするのは、現在の日本でも、これとおなじ事態が、進行しているのではないかということだ。

秘密保護法の強行可決や、集団的自衛権の閣議決定などなどは、まさにその「小さな兆候」そのものだろう。

 

しかし小さな兆候が積み重ねられるだけでは、ドイツのあれだけ多くの人たちがナチスを支持した理由については説明できない。

それを金子氏は、ナチス親衛隊隊員で、ユダヤ人を強制収容所へ送る中心的な役割を果たしたアドルフ・アイヒマンを例に論ずる。

 

アイヒマンは、多くのユダヤ人が考えようとしたような、極悪非道の人物ではなかったそうだ。

アイヒマンは検察側が主張する<倒錯したサディスト>ではなく「実に多くの人々が彼に似て」おり、「恐ろしいほどノーマル(正常)だった」。

のだそうである。

そして、

アイヒマンは「無思想性」ゆえに「自分の昇進にはおそろしく熱心だったということのほかに彼には何の動機もなかった」。

そして「想像力の欠如」によって、「彼は自分のしていることがどういうことか全然わかっていなかった」だけでした。

ということだったのだそうだ。

想像力が欠如した、しかしごくごく普通の人間が、ナチスという組織の中で、昇進のためにひたすら頑張った結果として、あの数百万のユダヤ人が惨殺されるという、巨大な悲劇が引き起こされたというわけだ。

 

金子氏は、日本でも、今おなじことが起こりうるのではないか、と言う。

ひるがえって、日本の現在の状況を考えてみましょう。過剰同調圧力が加わる日本の会社組織や官僚組織においても、自分の昇進だけが最大の関心事になれば、実は、誰でもアイヒマンになりうるのです。

と、言うのである。

 

実は今、すでに人権を大きく侵害されている人たちが、日本にいる。

福島は史上最悪の環境汚染に襲われ、福島第1原発事故から3年半たった今もなお、10万人以上の人々が故郷を失いかけています。

原発関連死は1700人に達し、イスラエルのガザ攻撃による死者2000人に近づいています。死にいたる時間が、瞬時か緩慢かの違いだけです。

小児甲状腺癌は、疑いが濃い人も含めて103名に達しました(2014年8月発表)。これで10万人あたり30名になります。にもかかわらず、データが意図的に隠されたり、不作為で取られていなかったりすることで、原因は特定できない状況が作り出されています。

この人権侵害を目の当たりにしながら、保身を目的に口を閉ざすことこそ、投稿のタイトルでもある「内なるファシズム」の始まりなのだろう。

 

状況は、日々悪化しているとぼくにも思える。ブログ末尾の、

私たちも最悪の事態に陥らないために、自分に何ができるか、考え抜かなければならない時が来たようです。残念なことですが…。

の金子氏の言葉は、ぼくも胸に手を当て、受け止めなければならないと思う。

 

 

「大変な時代になってきたね。」

チェブ夫

ほんとにな。

 

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